MBSハッカソン - Hack on Airに参加してみた その2
さて、今回と次回で、作成した銃の心臓部である基板部について掘り下げていこうと思います。
銃の全体イメージ
まずは銃の全体イメージをもとに、この銃で実現したこと・したかったことを紹介します。
まず、銃の先端には、エフェクト用に振動スピーカーをつけます。このスピーカーから音が鳴ると振動が伝わってかすかに銃が震えるため、臨場感をアップします。
また、銃を発射した感を出すためにソレノイドを仕込んでいます。発射ボタンを押すと、ソレノイドの動作によって先端のナットが引き寄せられたのち解放されるので「カチッ」という音が出ます。
オプションアタッチメントですが、これはハッカソンの時は実現できなかったのですが、例えばハートのアタッチメントをつけると攻撃ではなく、キューピットの矢っぽいデバイスに変化してお気に入りキャラを撃ちまくる(=ラブコール)ということを考えてました。
爆風は小型モータとLEDで実現します。LEDを赤に光らすことで、心理的に熱風にみせようとしています。最初はヒーターで本当に熱風を出すことや、匂いを出すことも考えていたのですが、実現はできませんでした。
本体にはシリアルLEDを左右に並列につけて、起動時のエフェクトや弾の残量等の情報表示に使用します。
発射ボタンは、普通の押しボタンが標準でついていますが、ジャックの口を設けて、他のボタンでも利用できるように拡張用の口を用意してあります。これは手の不自由な子供でも銃を楽しめるためにと、もう一人のエンジニアでテンプラ―筋電車いすの作者である、ならなびさんの配慮でつけられたものです。ハッカソンで作った銃ですが、この後も作り続けて行きたいという開発者の思いも詰まっております。
あとは、目に見えないですが、メイン基板には3軸の加速度センサーがついており、銃口を下向けたといった銃でのモーションを検知できるようになっております。銃を横向けることで防御するとか、銃口を下向けることで弾を充填するといったことが可能になります。
ハードウェアの詳細が決まるまで
短期間での開発のため、各部品はこれまでの利用した経験があるものや、利用方法が簡単もので要件を満たすものを選ぶ必要があります。部品選びを間違うと、その部品の調査・解析で数日ぶっとんでしまうので、このあたりがエンジニアの経験が効いてくるところです。
最初に決めるのは、使用するマイコン。これは開発のし易さを考えるとArduino系にすることは早くに決まりました。最初は、小型のArduino互換ボードである、Adafruit Pro Trinketを考えてました。
最終的には、ならなびさんが今回用に基板を作る!といわれ、それで決定いたしました。マイコンはArduino UNOと同じ、ATMega328を使用しました。
えっ、基板てどうやってつくるの?という方はこちらをご覧ください。
また、時間がもう少しある(1か月程度)場合は、以下のサービス等で中国でお安く基板を作ってもらうことができます。
次は電源。モーターや通信デバイス等を使うため、乾電池では心もとなく、リチウムイオンポリマー電池かUSBでモバイルバッテリーを使うかが候補になりました。最近のモバイルバッテリーは低電流時に自動OFF機能が動いて電力供給が止まってしまうリスクがあるので、リチウムイオンポリマー電池の1000mAhのものを使用することになりました。
次回は、メイン基板と制御プログラムについて書こうと思います。